フウタちゃん(12歳、去勢済み雄、アメリカン・ショートヘア)の肺に発生した肺癌の標準的治療は、開胸手術で肺腫瘍を切除です。今回はホームドクターでの外科手術を終え、術後補助治療の相談で小林犬猫病院に来院されました。
お送り頂いた病理組織検査では、肺癌にしては非典型的であるとのこと。そこで、まずは病理組織検査のセカンドオピニオンから開始し、その結果、非常に悪性度の高いタイプの肺癌(腫瘍細胞の形態が未分化で、核分裂像が20個以上/10高倍率視野)であることが判明。また、診察日の身体検査で、手術をした部位に小結節が確認され、こちらも肺と同じ腫瘍であることが分かりました。
再手術を含めた根治治療を目指すか、緩和治療にとどめるか非常に悩みましたが、ご家族はできる限りの治療はやってみたいとの強い意志。そこで、まずは術創の小結節を切除し、その後、合計4回の補助化学療法(カルボプラチン)を実施しました。当院での治療開始から現在まで約17カ月間、局所再発や遠隔転移もなく、日々元気に過ごしています。